「見さ来ぅ南相馬!」というのは、2024年のカリタス南相馬のキャッチフレーズです。「みさこぅ」と読みますが、浜通りの言葉で「見においで」という意味です。
カリタス南相馬の前身であるカリタス原町ベースは、全国から東日本大震災被災地に来るボランティアの方々に宿と食事を提供するために始まりました。その後、ボランティアだけでなく、特に原発事故の被災地の現状を知りたいという方々も受け入れて、その方々の案内をするのも、わたしたちの重要なミッションと考えるようになりました。
しかしこの3年間、新型コロナウイルス感染症の流行によってカリタス南相馬では宿泊者の受け入れをすることがほとんどできませんでした。2023年の夏は大幅に制限を緩和することができて、多くの人、特に高校生や大学生のグループを受け入れることができました。そこで、2024年は、以前カリタス南相馬に来られた方で、久しぶりに福島に行ってみようかという方、またボランティア活動をしてみようという方、さらにまだ行ったことはないけれど福島県浜通りのことを見たい・知りたいという方を大いに歓迎したいと考えています。
福島の原発事故は過去のことではありません。今も福島第一原発には大量のデブリが残ったままで、その処理や廃炉の目処は立っていません。一方で周辺地域の状況は年とともに変わってきています。ALPS処理水の海洋放出の問題、除染によって出た除去土壌の再利用の問題は決して福島だけの問題ではありません。政府が原発の再稼働や増設・新設に向けて動き始めた今だからこそ、原発事故の影響が今もどのように続いているか、あの震災と事故から学ぶべきことは何なのか、自分の目で見て考えることが大切だと感じています。
来てくださった方々には、震災からの復興状況や原発事故の現在だけでなく、福島県浜通りの四季の風景、この地ならではのイベントや美味しいものなども紹介していきたいと考えています。